隣の席の佐竹くんには…

♢♢♢


「七恵、手の具合どう?」

「とりあえず大丈夫そう」

体育の授業が終わった後、保健室へ行ってみると、七恵は何事もなかったかのような顔をして一人椅子に座ってお茶をすすっていた。

「ちょうど先生がいなくて、代わりに佐竹君が氷水作ってくれたり包帯巻いてくれたりしたの」

ほらっ!と、七恵は包帯が巻かれた手首を見せてきた。

「佐竹君が?…えっと…どうだった?」

「ん?手首?」

「違う、佐竹君だよ。苦手って言ってたから…」

遠慮気味に聞いてみると、七恵は少し顔を近づけてきてなぜかコソッと小声で話してくる。

「佐竹君と普通に話しできた」

「ホント?」

「うん。梅の言う通り結構話しやすい人だった。気づいたら普通に会話弾んでた」

「へぇ」

会話が弾んだなんて、一体どんな話してたんだろ。

少し気になるんだけど…。


「考えてみたらさ、佐竹君に嫌な事されたことなんか全くないんだよね。それなのに影で悪く言ったりしてて…私ってかなり嫌なヤツー」

「それは私も同じだよ。佐竹君と席が隣になる前まであんま良い印象持ってなかったから」

「話してみないとわからないことってあるんだね」

「そうだね」


「……私、佐竹君のこと好きになったかも」

……。

「え…」


七恵のその一言に胸がドクンと脈打った。