隣の席の佐竹くんには…


『なんでボクばっかりいじめてくるんだろう…』

『ライトはいつもテストで良い点取って先生に褒められてるだろ。それが気に入らないんだよ』

『そ、そんな理由で…!?勉強できちゃうんだから仕方ないじゃんか!』

『はははっ!またいじめてきたらオレがやっつけるから心配しないでよ』

『ミツは強くていいね。どうしてそんな強くいられるの?』

そう尋ねると、佐竹は近くに落ちていた木の枝を拾い上げた。

『オレ、大人になったらブシになりたいんだ』

『ブシ?』

『サムライってこと!』

『サムライかぁ。でも、刀持ってたらケーサツに捕まっちゃうよ?』

『さすがに本物の刀なんて持たないよ。オレが言ってるは"武士みたいな強いオトコ"になりたいってこと』

強いオトコ…

ふと、自分の手や服を見た。

佐竹のようなボスに立ち向かった証がそこにはない。

無傷の身体。

それは"弱い"ことを表している気がして、自分の情けなさに嫌気がさした。