隣の席の佐竹くんには…

『かえして!それボクのゲームだよ!!』

『うるせぇ!ライトのくせに生意気なんだよ!』

買ったばかりのゲームをクラスのボス的存在である大川に奪われた。

取り返そうと手を伸ばすも呆気なく突き飛ばされ、地面に尻餅をついてしまった。

『うぅ…』

目にはじわりと涙がたまってくる。

『ほら、すぐ泣く。ホント弱ぇーなお前』

バカにしたように笑うと、大川は奪ったゲームを楽しそうにやりながら去っていく。

ぐしっと鼻を鳴らし、涙を拭うしかできない。


どうしていつもボクばっかり…。
あんな奴嫌い。


…でも、すぐ泣いちゃう自分も嫌い。

泣き虫でいじめられてばかりだった小学生時代。

けれど、いつも助けてくれたのが…

『ライト!ほらっ!取り返してきたよ!』

幼なじみの佐竹だった。


小学生の頃の佐竹は、短髪頭が特徴的の活発な男の子で。

人一倍男らしさがあるヤツだと、小さい頃から佐竹に憧れていた。


『ありがとう、ミツ』

『ケガしてない?』

『うん。でも、ミツは…』

頬には擦り傷、服も汚れている。

視線の意味に気づいた佐竹は、腕で頬を拭いながらニカッと笑う。

これはいつものやりとり。

『あぁ、こんくらい平気だよ!』

とは言うけれど、赤くなった頬はとても痛々しくみえる。

『ごめんね。ボクが弱いばっかりに…』

『悪いのはあいつなんだから気にしないで』

そう言っていつも佐竹は笑ってくれる。

(やっぱりミツはすごいなぁ)

それに比べて自分ときたら…。