隣の席の佐竹くんには…

♦︎佐竹side♦︎


その頃。

サッカーの試合を終えた佐竹は、首元の汗を拭いながら歓声の上がる女子たちの試合を眺めていた。

「梅沢さんすごいなぁ」

でも…
走るの遅っ。

あれ、全力なのかな?
もう少し早ければ二塁までいけそうだったのに。

でも、なんとなく清々しく見えるのはなんでだろう?

それがなんだか可笑しくてつい笑ってしまった。

そこへ、

「あーあ、負けたー…」

ライトがぼやきながらやってきた。

「なんか楽しそうじゃん?」

「女子の試合見てたんだけど、さっき梅沢さんがヒット打ってた」

「へぇ。梅沢やるじゃん」

「打てた自分に驚いたみたいで、走り出すのがワンテンポ遅れて、」

話してる途中、ライトがフッと笑いだす。

「どうかした?」

「いや、なんか楽しそうに話すなーと思って」

「梅沢さん、なんか面白いんだよね。冷静なところとかオレ的にツボで」

「ははっ。そりゃよかったな」

そう言って、ライトは頭に手をのせると髪の毛をグシャグシャと乱してきた。

なんとなく、安心したような、嬉しそうな顔をしてるのは気のせいだろうか…

少しして「うしっ!」と、ライトは声に気合いを入れた。

「佐竹、次はリフティングで勝負しよーぜ。先にボール落とした方が負けな」

「いいよ。負けた方が今日の昼飯おごるってのはどう?」

「いいな、それ」

お互いに見合ってボールを持った時だった。

「大丈夫!?」

女子たちの方から慌てた声が聞こえてきた。

見るとバッターボックスを囲むように人が集まっている。

何事だろう?とライトと首を傾げ、女子たちの集まっている場所へと向かった。