隣の席の佐竹くんには…

「んー…強いて言えば、タテガミがあるとこじゃない?」

ホンキで共通点を探してくれる優しい友人。

しかし、タテガミって……

七恵は「ほら、ここ」とライオンの顔周りのギザギザ部分と、カッパの頭周りのギザギザ部分を交互に指差す。

ライオンはいいとして、カッパは違うのでは?

「無理矢理な共通点だよね…これ」

「だって、無理にでもこじつけないと、いつまでも悩むでしょ?」

「そうかもしれないけど…」

「そもそも、二匹とも違う生き物なんだし、共通点なんてなくない?」

「……」


違う生き物…

共通点がない…

「比べても意味ないって。似てなくて当たり前でしょ。そんな深く考えないのっ」

比べても意味がない…

似てなくて当たり前…



…—あぁ、そっか。

「たしかに……!」

体の中に今朝のような清々しい風がサァッと吹いた。


二人の外見だけに重点を置いて、共通点ばかり探してた。

それが間違ってたんだ。

人それぞれ、外見だって違えば性格だって違う。
生まれもった個性や能力を持ってる。
誰一人、同じ人なんていない。

それは当たり前のことで、他人と比べようがない。


"佐竹は佐竹、ライトはライト"


二人が似ていないのは当然のことだ。

比べる必要なんてなかったんだ…。


それなのに、違和感があるってだけで二人の仲を疑っていて。

おまけに、イラ子たちに“私は分かってます感”出して偉そうに言ったけど、結局、私もあの子たちと同じだ。


恥ずかしい…私。



…佐竹と隣になったあの日。

『二人ってどんな関係なの?』

『『友達だけど?』』

既に答えは出ていた。

二人ともお互いを純粋に友達だと思っている、それこそ充分な理由。

対照的であっても違和感があっても、友達でいるために共通点なんか要らない。

カッパとライオンだって仲良くなれるんだよ。