隣の席の佐竹くんには…

「…ねぇ。その外見変えようって思ったことないの?」

「なんで?」

「周りに誤解されてること色々あるんじゃないかなと思って。ほら、ライトって一見怖そうに見えるけど、そうじゃないし」

「別に、周りにどう思われようがどうでもいいし」

「友達のこと、言われたとしても?」

そう問うと、一瞬だけ間が空いた。

「…人ってさ、外見で相手の人間性を判断する生き物だろ。それって仕方ないことじゃん?分かってくれるヤツだけ分かってくれていればいいってオレは思ってる」

そう言って、ライトは雑誌に目を移す。

たしかに、ライトの言う通りだ。

最初は目から入ってくる情報の方が早いし、そこから相手がどういう人なのかを判断してしまいがちだ。

好印象を持つ人もいれば、悪印象を持つ人もいる。

どう感じるかは人それぞれで、それは仕方ないことなのかもしれない。

でも…

だとしても…


「さっき、ライトと佐竹君の仲を疑ってる子たちがいて、幼馴染みだって教えてあげたんだけど信じてくれなくて…」

「……」

「私は、外見のせいでその人が本来持ってる良い内面的なところが伝わらないのはもったいないと思う」

ほんの一瞬、ライトの表情がピクリと反応したようにみえた。

「それに、二人は故意に外見を作ってるような気がして。だから余計ー…」

もったいないと思う…と言葉を続けようとしたが、ライトに制される。

「だから、変えたほうがいいって?」

ライトの声色がワントーン落ちた。


「変えたほうがいい…っていうか、もし変えたら周りの人たちの反応は変わると思う」

「梅沢の言いたいことはわかる。でもな、変わるってそんな簡単にできることでもねぇんだよ。それに…」

何かを思い出したのか、少しの間口を閉ざす。

「これ以上、あいつがー…」

「え?」

「いや、なんでもねぇ。とにかく、周りのやつらが何を言おうと佐竹との仲は変わらないことだから。全員に解ってほしいなんて思わない。オレはオレ、佐竹は佐竹」

そう言ってライトは雑誌をパタンと閉じた。

"この話は終わり"というように。

"それ以上踏み込むな"とも言っているようにもとれた。



それ以上、何も言えなかった。