隣の席の佐竹くんには…


登校して教室に入るとすぐ、私の席の隣で佐竹君とライトが激しく口論しているのが目に入ってきた。

「ぜったいこっちのがいいだろ」

「オレはこっちかな」

「はぁーあ…佐竹、お子ちゃまだな」

「お子ちゃまじゃないから」

雑誌を広げてあーだこーだ言っている。
朝から騒がしい。

「なに争ってるの?」

質問しながら騒がしい現場の右隣にある自分の席へと座る。

「梅沢さんおはよう。体調はどう?」

「ん。良くなったよ」

佐竹君は「よかったね」と、いうように口元をニコッとさせた。

目元が隠れているせいで佐竹君の感情がいまいちよくわからない。

「昨日オレたちがスカスカパン買ってやったおかげだな」

失礼なことを言うライトにジロッと視線だけを送ってから席へと座る。

そんな視線なんてお構いなしに、

「これ見て。梅沢はどっちがいいと思う?」

と、ライトが雑誌を開いて見せてきた。

無駄に真剣な顔で。

一体なにに対して口論していたのだろうと興味がわいてきて、私は「どれ?」と雑誌を覗いた。

………!
こ、これは…。

——朝イチで見るものではない。

表情が、完全に”無”になった。