「とにかく、梅沢さんはここで待ってて」
そう言って佐竹君はライトに顔を向ける。
それにニヤリと笑みを返すライト。
ニカッと笑い合う二人を見て、首を傾げた。
「オレこっちから行くから」
「じゃあ、オレはこっち」
そんな言葉を交わした後、二人は人混みの中へ突っ込んでいった。
え…?なに?
ライトは人を強引にかき分けていき、佐竹君もまた同様に人混みをかき分けていく。
時々、佐竹君を見た女子の「ひぃ!」と、恐怖じみた声が何度か聞こえてきた。
そんな二人の姿に、呆然と立ち尽くしたまま釘付けになっていた。
なんなのあの二人。
ライトはともかく、佐竹君があんなにアグレッシブに動けるなんて…
…面白い。
面白すぎる。
少しして、佐竹君とライトが戻ってきた。
二人はパンの山を抱えている。
「はい、梅沢さん」
「ほらよ」
「えっ…わっっ!」
佐竹君からは二つ、ライトからは一つのちくわパンを前へ突き出してくるもんだから思わず受け取ってしまった。
他にも二人は数種類のパンをそれぞれ抱えている。
たくさんの戦利品だこと。
「佐竹も四つか。引き分けだな」
「でも、オレはちくわパン二つゲットできたからオレの勝ちだよ」
「はぁ?数で勝負じゃねぇのかよ!」
どうやら二人はパンで競っていたらしい。
