隣の席の佐竹くんには…



昼休み。

七恵と二人、今日はお弁当を持参しなかったのでお昼ご飯を買いに購買へと向かう。

けど、すでに売り場の周りは腹を空かせた学生達で埋め尽くされていた。

人だかりの後ろへ並んでいると、あっという間に二人の後ろに学生が並び始め、気づけば左右前後から押しつぶされていく。

や…やば。
息苦しい。

これは病み上がりにはキツイ。

もみくちゃにされていると、隣でカチッと、何かのスイッチが入る音がした……気がした。

「私のいちごパーン!!」

突然、人だかりの中で七恵が叫んだ。

さっきのスイッチ音はどうやら七恵の戦闘モード発動音だったようだ。

彼女はロング髪を獅子舞のように振りながら人をかき分けていった。

相変わらず、食べ物のことになるとスゴイなぁ…。

普段おっとりしてるのに昼になると変貌する彼女。

そんな彼女をよそに、その場からなかなか動けずにいる。

まずい…。
頭クラクラしてきた。

いつもならこんな人混み耐えられてるのに。

早くこの人だかりから脱出しないと飢える前に死んでしまいそうだ。

七恵に頼んでおけばよかった…ちくわパン…。

戦闘モード中の今の彼女ならきっと売り場まで辿り着けただろうに。

人混みから離れた場所で呼吸を整えながら、「私のちくわパンーーー!」と心の中で虚しく叫んだ。

そんな時、

「梅沢さん大丈夫?」

声のした方へ視線を向けると佐竹君とライトが立っていた。


今日はこの二人をよく見る。