完璧な三神くんは、愛だけがわからない。


あれから、どうやって家に帰ったのか覚えていない。


「春苺、ごはんは?」

「部活で食べてきたから食べれない。ごめん」


いつもと変わらない母。ほっとする。

「あらー、いつも食べるじゃない、どうしたの、食欲ない?具合悪い?」

「ううん、大丈夫」

だけど今お母さんの顔を見たら泣き出しちゃいそうな気がして。

頭が回らない。食欲がない。気持ちが悪い。帰宅してシャワーだけ浴びて、私はベッドへ横になった。


蘇るのは、昼間の出来事。脳裏から、消えない。


「……っ」

失恋とは言えないくらい、一方的な思いだった。それでも。確かに心は動いていたし、さっきから涙が止まらない。

泣くと顔むくんじゃうし、明日学校に行きたくないな。そんなことを思いながら、眠りについた。