完璧な三神くんは、愛だけがわからない。




「ま、明日またリベンジだね」

「そうだね、あ。」

「どうしたの、春苺」

「教室に水筒忘れちゃった。すぐに戻るから、先帰ってて」

「了解」


部活が終わり、下校時間が過ぎている。
いつもならグラウンドには、部活の片付けを行う生徒の声が聞こえるのだが、今日はずいぶんと時間も過ぎ、ほかの生徒は帰宅した様子だった。


「急げ急げ」

この時の私は、完全に油断していた。まさか、あんなことが起きるだなんて。

もし、時間を戻せるのなら、この日に戻りたい。
何も知らない、ただただ三神くんに恋をしていたこの頃に、戻れたらいいなと思うんだ。