車で1時間半ほど走り、高速を降りた
途中にあった大型のショッピングモールに寄って食材を物色する
怜司が籠を押して美月がその横を歩く
達也は真帆とその後ろを歩いている
「怜司君、バーベキューの食材を買うのよね?」
「ああ」
「それじゃまずは野菜からかな」
「カボチャとジャガイモ、ナスなんかも欲しいわね」
怜司は美月の後ろを歩きながら
カボチャを二玉、カゴに入れた
美月はカボチャを探す
「1個丸々は多すぎよね」
「ハーフサイズないかしら」
美月が探すと四分の一に切られたカボチャがある
「あった、あった」
それを二つ取って美月は振り返る
「って……え?」
「怜司君、なにこれ?」
怜司が押すかごにはカボチャが二玉入っていた
「カボチャだ」
「見たらわかるわよ」
「なんで2玉も入ってるの?」
「美月が欲しがっていた」
「多いわよ!」
「こんなに食べられるわけないでしょ!?」
「そうなのか」
「そうよ!」
「なんでわからないのよ!」
「足りなくなったら困る」
「美月がどれだけ食べるか分からない」
「念のためだ」
「足りるわよ!」
「私はどんだけカボチャ食べるのよ!」
「美月はカボチャが好きだろう」
「限度ってものがあるでしょ!」
美月は手に持ったカットされたカボチャを見せる
「これ位でいいのよ」
「他のものも買うんだから」
「分かった」
怜司はカボチャを元の棚に戻す
真帆がその後ろで達也を横目でみる
「いいの~?」
「美月楽しそうにしてるよ」
「あ?」
「いいんだよ、楽しそうにしてんだから」
その少し先の野菜売り場では
また美月が怜司の持つカゴを覗き込んでいた
「なんでこんなに沢山いれるのよ!」
「美月はジャガイモが好きだろう」
「シチューをお代わりした時に」
「入れるようにリクエストしていた」
「足りなくなったら困る」
「だからって」
「こんなに食べられるわけないでしょ!?」
「怜司君は、商品をかごに入れるの禁止!」
真帆は隣を歩く達也を見る
「美月のこと、取られちゃうよ」
「実は私、達也さん派なのよね~」
「美月さんは誰のものでもねえよ」
「ああして笑ってくれてるんだ」
「俺はそれでいいんだよ」
「なにそれ……健気だね~」
「見た目ちょっとオラオラなのに」
「うるせえ」
「それによ、怜司も楽しそうだからな」
「あいつとは付き合いが長いが」
「最近、俺が知らない顔をするんだよ」
「なんか、もっと見たくなっちまってな」
「え! なにそれ!?」
「BL的な?」
「アンテナビンビンなんですけど!」
「ちげえよ!」
「変な目で俺を見るな!」
真帆はしばらく達也を見て考える
「よし、決めた」
「なにがだよ」
「私、達也さんを応援するわ」
「は?」
「さっき言ったでしょ」
「私、達也さん派なの」
「今日見た感じなら、怜司さんも悪くなさそうだけど」
「前科あるし」
「それに達也さん、かなりいい人っぽいし」
「応援ってなんだよ」
「余計なことしなくていいからな」
真帆は前を歩く美月と怜司を見る
「だって達也さん、怜司さんのことも好きでしょ」
「普段の私なら、もっとやれって感じなんだけどさ」
「達也さん、受けっぽいのよね」
「美月に対してまで受け身で、なにもしないで終わりそう~」
「余計なお世話だ!」
「選ぶのは美月さんなんだよ!」
「じゃあまずは……」
真帆がにやりと笑った
「美月と二人にしてあげる」
真帆が美月たちに駆け寄る
「美月~」
「私、怜司さんと炭と紙皿見てくるから」
「達也さんとお肉選んできて」
「私、海鮮の方が好きだから」
「そこんとこよろしく~」
「え? なんで?」
「順番に見れば良いじゃない」
「時は金なりよ~」
「手分けした方が早いでしょ」
「いいからいいから」
真帆は怜司の腕を掴む
「行きましょう、怜司さん」
「俺は美月と――」
「炭!」
「キャンプに炭は必要でしょ!」
「か弱い女の子に持てって言うの?」
「そんなつもりはない」
「だったら、来る!」
真帆は怜司を引っ張るように連れていった
美月はその後ろ姿を見ながら首を傾げる
「なんなのよ、急に……」
真帆が振り向いて達也に口パクで『頑張れ』と伝えた
達也は一度咳払いをしてから
怜司が押していたカートに手を置く
「まあいいだろ」
「俺達で肉選ぼうぜ」
「そうね」
「二人とも行っちゃったし」
「お肉は私達で決めちゃおっか」
二人は精肉売り場へ向かった
美月がパックに入った肉を見比べる
「牛肉ってどれくらい買えばいいのかな」
「男の人ってどれくらい食べるの?」
「これとこれ買えば足りるかな?」
「そんなにいらないんじゃないか?」
「他にも海鮮とか野菜も買うんだろ」
「そうよね、これでもまだ多いわよ」
「怜司君なら絶対いっぱい買っちゃうわ」
「足りないと困るからとか、しつこいのよ」
「さっきカボチャ2個入れてたからな」
「そうなのよ」
美月は思い出したように声を上げる
「ジャガイモまでいっぱい入れてたのよ」
「私が好きだからとか言って」
「私をなんだと思ってるのよ」
「カボチャとジャガイモを大量に食べる女?」
「なによそれ……失礼ね」
達也が笑う
美月もつられて笑った
「でもさ」
「達也さんは買物とか慣れてる感じするね」
「ちゃんとした返事が返ってくるから安心するわ」
「まあ、何回もキャンプしてるしな」
達也は肉をいくつか手に取り
量を確認する
「牛肉はこんくらい」
「ウインナーもいるか?」
「いる!」
「即答だな」
「バーベキューのウインナーは別腹よ」
「別腹って普通、甘い物じゃねえか?」
「それはまた別の別腹よ」
「美月さんには沢山腹があるんだな」
「達也さんにはないの?」
「俺にもあるよ」
達也は笑いながらウインナーをカゴへ入れた
「あとは美月さん、鶏肉が好きだろ?」
「え? 好きだけど、なんで?」
「焼き肉食べた時に」
「鶏肉を一番食べてたからな」
美月は少しだけ達也を見る
あ~……そういえば鶏肉多めに頼んだわね
本当は一番値段が安かったからとも言えない……
「覚えてたの?」
「そりゃ覚えてるよ」
「ふーん」
美月の口元が少し緩む
「達也さんって、そういうところマメだよね」
「人は見た目によらないわ~」
「そうか?」
「うん」
「一緒に買い物するなら」
「達也さんが安心よね」
達也がピクリと反応する
第二王子のポーズをとってキリっとキメ顔を美月に向ける
「惚れてもいいんだぜ」
「いや、むしろ惚れろ」
「はいはい、かっこいいわ~」
「トキメイちゃった」
「調子に乗らないの!」
「なんだよ、イケメン効かなくなってねえか?」
「免疫ができたのよ~」
「何回目だと思ってるの?」
「同じ手は食わないわ」
美月は笑いながら次の売り場へ歩く
その耳が少し赤くなっていた
途中にあった大型のショッピングモールに寄って食材を物色する
怜司が籠を押して美月がその横を歩く
達也は真帆とその後ろを歩いている
「怜司君、バーベキューの食材を買うのよね?」
「ああ」
「それじゃまずは野菜からかな」
「カボチャとジャガイモ、ナスなんかも欲しいわね」
怜司は美月の後ろを歩きながら
カボチャを二玉、カゴに入れた
美月はカボチャを探す
「1個丸々は多すぎよね」
「ハーフサイズないかしら」
美月が探すと四分の一に切られたカボチャがある
「あった、あった」
それを二つ取って美月は振り返る
「って……え?」
「怜司君、なにこれ?」
怜司が押すかごにはカボチャが二玉入っていた
「カボチャだ」
「見たらわかるわよ」
「なんで2玉も入ってるの?」
「美月が欲しがっていた」
「多いわよ!」
「こんなに食べられるわけないでしょ!?」
「そうなのか」
「そうよ!」
「なんでわからないのよ!」
「足りなくなったら困る」
「美月がどれだけ食べるか分からない」
「念のためだ」
「足りるわよ!」
「私はどんだけカボチャ食べるのよ!」
「美月はカボチャが好きだろう」
「限度ってものがあるでしょ!」
美月は手に持ったカットされたカボチャを見せる
「これ位でいいのよ」
「他のものも買うんだから」
「分かった」
怜司はカボチャを元の棚に戻す
真帆がその後ろで達也を横目でみる
「いいの~?」
「美月楽しそうにしてるよ」
「あ?」
「いいんだよ、楽しそうにしてんだから」
その少し先の野菜売り場では
また美月が怜司の持つカゴを覗き込んでいた
「なんでこんなに沢山いれるのよ!」
「美月はジャガイモが好きだろう」
「シチューをお代わりした時に」
「入れるようにリクエストしていた」
「足りなくなったら困る」
「だからって」
「こんなに食べられるわけないでしょ!?」
「怜司君は、商品をかごに入れるの禁止!」
真帆は隣を歩く達也を見る
「美月のこと、取られちゃうよ」
「実は私、達也さん派なのよね~」
「美月さんは誰のものでもねえよ」
「ああして笑ってくれてるんだ」
「俺はそれでいいんだよ」
「なにそれ……健気だね~」
「見た目ちょっとオラオラなのに」
「うるせえ」
「それによ、怜司も楽しそうだからな」
「あいつとは付き合いが長いが」
「最近、俺が知らない顔をするんだよ」
「なんか、もっと見たくなっちまってな」
「え! なにそれ!?」
「BL的な?」
「アンテナビンビンなんですけど!」
「ちげえよ!」
「変な目で俺を見るな!」
真帆はしばらく達也を見て考える
「よし、決めた」
「なにがだよ」
「私、達也さんを応援するわ」
「は?」
「さっき言ったでしょ」
「私、達也さん派なの」
「今日見た感じなら、怜司さんも悪くなさそうだけど」
「前科あるし」
「それに達也さん、かなりいい人っぽいし」
「応援ってなんだよ」
「余計なことしなくていいからな」
真帆は前を歩く美月と怜司を見る
「だって達也さん、怜司さんのことも好きでしょ」
「普段の私なら、もっとやれって感じなんだけどさ」
「達也さん、受けっぽいのよね」
「美月に対してまで受け身で、なにもしないで終わりそう~」
「余計なお世話だ!」
「選ぶのは美月さんなんだよ!」
「じゃあまずは……」
真帆がにやりと笑った
「美月と二人にしてあげる」
真帆が美月たちに駆け寄る
「美月~」
「私、怜司さんと炭と紙皿見てくるから」
「達也さんとお肉選んできて」
「私、海鮮の方が好きだから」
「そこんとこよろしく~」
「え? なんで?」
「順番に見れば良いじゃない」
「時は金なりよ~」
「手分けした方が早いでしょ」
「いいからいいから」
真帆は怜司の腕を掴む
「行きましょう、怜司さん」
「俺は美月と――」
「炭!」
「キャンプに炭は必要でしょ!」
「か弱い女の子に持てって言うの?」
「そんなつもりはない」
「だったら、来る!」
真帆は怜司を引っ張るように連れていった
美月はその後ろ姿を見ながら首を傾げる
「なんなのよ、急に……」
真帆が振り向いて達也に口パクで『頑張れ』と伝えた
達也は一度咳払いをしてから
怜司が押していたカートに手を置く
「まあいいだろ」
「俺達で肉選ぼうぜ」
「そうね」
「二人とも行っちゃったし」
「お肉は私達で決めちゃおっか」
二人は精肉売り場へ向かった
美月がパックに入った肉を見比べる
「牛肉ってどれくらい買えばいいのかな」
「男の人ってどれくらい食べるの?」
「これとこれ買えば足りるかな?」
「そんなにいらないんじゃないか?」
「他にも海鮮とか野菜も買うんだろ」
「そうよね、これでもまだ多いわよ」
「怜司君なら絶対いっぱい買っちゃうわ」
「足りないと困るからとか、しつこいのよ」
「さっきカボチャ2個入れてたからな」
「そうなのよ」
美月は思い出したように声を上げる
「ジャガイモまでいっぱい入れてたのよ」
「私が好きだからとか言って」
「私をなんだと思ってるのよ」
「カボチャとジャガイモを大量に食べる女?」
「なによそれ……失礼ね」
達也が笑う
美月もつられて笑った
「でもさ」
「達也さんは買物とか慣れてる感じするね」
「ちゃんとした返事が返ってくるから安心するわ」
「まあ、何回もキャンプしてるしな」
達也は肉をいくつか手に取り
量を確認する
「牛肉はこんくらい」
「ウインナーもいるか?」
「いる!」
「即答だな」
「バーベキューのウインナーは別腹よ」
「別腹って普通、甘い物じゃねえか?」
「それはまた別の別腹よ」
「美月さんには沢山腹があるんだな」
「達也さんにはないの?」
「俺にもあるよ」
達也は笑いながらウインナーをカゴへ入れた
「あとは美月さん、鶏肉が好きだろ?」
「え? 好きだけど、なんで?」
「焼き肉食べた時に」
「鶏肉を一番食べてたからな」
美月は少しだけ達也を見る
あ~……そういえば鶏肉多めに頼んだわね
本当は一番値段が安かったからとも言えない……
「覚えてたの?」
「そりゃ覚えてるよ」
「ふーん」
美月の口元が少し緩む
「達也さんって、そういうところマメだよね」
「人は見た目によらないわ~」
「そうか?」
「うん」
「一緒に買い物するなら」
「達也さんが安心よね」
達也がピクリと反応する
第二王子のポーズをとってキリっとキメ顔を美月に向ける
「惚れてもいいんだぜ」
「いや、むしろ惚れろ」
「はいはい、かっこいいわ~」
「トキメイちゃった」
「調子に乗らないの!」
「なんだよ、イケメン効かなくなってねえか?」
「免疫ができたのよ~」
「何回目だと思ってるの?」
「同じ手は食わないわ」
美月は笑いながら次の売り場へ歩く
その耳が少し赤くなっていた
