お題【影】
真夏の公園でしゃがみ込んで自分の影をじっと見つめる男の子。影は、ぶよぶよと伸び縮みするスライムや磁石にくっつく砂鉄みたいに不思議な動きをしている。影に手を突っ込んでみると、ちゃぽんと水溜りみたいになっていた。男の子はびっくりして手を引き抜いて立ち上がるけど、ぬっと影から黒い手が伸びてきて何者かに影の中に引き込まれる。咄嗟に息を止めて恐る恐る目を開けると、影の中には空き缶やベンチや指輪や鍵、星型の木の葉がゆらゆらと深海魚みたいに漂ってる。息を止めたまま大きく水をかいて進むと、少し先に人影が見える。男の子は上の方から差し込む光に目をやるけど、気になってその子を追いかける。でもそのうちに息が続かなくなって目の前がチカチカしてきて、ぷはっと息を吐いた男の子は、そのまま影の海に沈んでいく。そこに誰かが泳いでやってきて、男の子の肩を支えて影の海から連れ出してくれる。影から出てぷはっと息を吹き返した男の子は、自分を助けてくれた子が何者だったのか気になって、影を覗きこむ。だけど助けてくれた子は見つからなくて、とぼとぼと家に帰る。夕飯の時にコンソメスープを眺めていたら、ベーコンの影がゆらゆらしているのが見えて、いても経ってもいられず、男の子はゴーグルを持って家を飛び出す。男の子は公園に来て街頭の明かりの下に立つと、ゴーグルをつけて影の中に飛び込もうとする。だけどいくら影を踏んでも影の中に入れなくて、なんでだよ……ととぼとぼ家に帰る。それから何年も経って高校生になった男の子が音楽を聴きながら横断歩道を渡っていると、ヘッドライトの光が目に飛び込んできてトラックが突っ込んでくる。ぎゅっと男の子が目を閉じると、足元が抜ける感覚があって、浮遊感のあとぽちゃんとまたあの影の海に吸い込まれていた。必死に目を凝らしていると、影の中の男の子に気をつけなよと抱きしめられる。気づくと横断歩道にへたりこんでいた男の子は、トラックから降りてきたおじさんに大丈夫ですと答えながら、影の中にいた自分そっくりの男の子のことを考える。自分の影を見下ろした男の子は、ありがとなと照れくさそうにつぶやく。
男の子の影は、影の海に自分の宝物を集めてたから、男の子のことも影の海に沈めてしまおうと引っ張り込んだ。だけど男の子が息ができないみたいだったからどうしよう死んじゃうと思ってあわてて外の世界に戻した。男の子が影に入れなくなったのは、影が男の子がまた溺れるのはいやだと思ったから。影は、ずっと影から男の子のことを見てたけど、最後にまた男の子と直接会うことができてうれしくて抱きしめた。
影はずっと影の海から男の子を見ていてこの子はぼくの宝物!って思ったから影に引き込もうとした。事故の時は、影が男の子を助けるために影の海に引き込んだ。
影は男の子と一緒に遊ぼうとしたんじゃなくて、宝物だから影の海にしまっとこうと思った。河原で綺麗な石を見つけて持って帰るときに石の気持ちは考えない。
真夏の公園でしゃがみ込んで自分の影をじっと見つめる男の子。影は、ぶよぶよと伸び縮みするスライムや磁石にくっつく砂鉄みたいに不思議な動きをしている。影に手を突っ込んでみると、ちゃぽんと水溜りみたいになっていた。男の子はびっくりして手を引き抜いて立ち上がるけど、ぬっと影から黒い手が伸びてきて何者かに影の中に引き込まれる。咄嗟に息を止めて恐る恐る目を開けると、影の中には空き缶やベンチや指輪や鍵、星型の木の葉がゆらゆらと深海魚みたいに漂ってる。息を止めたまま大きく水をかいて進むと、少し先に人影が見える。男の子は上の方から差し込む光に目をやるけど、気になってその子を追いかける。でもそのうちに息が続かなくなって目の前がチカチカしてきて、ぷはっと息を吐いた男の子は、そのまま影の海に沈んでいく。そこに誰かが泳いでやってきて、男の子の肩を支えて影の海から連れ出してくれる。影から出てぷはっと息を吹き返した男の子は、自分を助けてくれた子が何者だったのか気になって、影を覗きこむ。だけど助けてくれた子は見つからなくて、とぼとぼと家に帰る。夕飯の時にコンソメスープを眺めていたら、ベーコンの影がゆらゆらしているのが見えて、いても経ってもいられず、男の子はゴーグルを持って家を飛び出す。男の子は公園に来て街頭の明かりの下に立つと、ゴーグルをつけて影の中に飛び込もうとする。だけどいくら影を踏んでも影の中に入れなくて、なんでだよ……ととぼとぼ家に帰る。それから何年も経って高校生になった男の子が音楽を聴きながら横断歩道を渡っていると、ヘッドライトの光が目に飛び込んできてトラックが突っ込んでくる。ぎゅっと男の子が目を閉じると、足元が抜ける感覚があって、浮遊感のあとぽちゃんとまたあの影の海に吸い込まれていた。必死に目を凝らしていると、影の中の男の子に気をつけなよと抱きしめられる。気づくと横断歩道にへたりこんでいた男の子は、トラックから降りてきたおじさんに大丈夫ですと答えながら、影の中にいた自分そっくりの男の子のことを考える。自分の影を見下ろした男の子は、ありがとなと照れくさそうにつぶやく。
男の子の影は、影の海に自分の宝物を集めてたから、男の子のことも影の海に沈めてしまおうと引っ張り込んだ。だけど男の子が息ができないみたいだったからどうしよう死んじゃうと思ってあわてて外の世界に戻した。男の子が影に入れなくなったのは、影が男の子がまた溺れるのはいやだと思ったから。影は、ずっと影から男の子のことを見てたけど、最後にまた男の子と直接会うことができてうれしくて抱きしめた。
影はずっと影の海から男の子を見ていてこの子はぼくの宝物!って思ったから影に引き込もうとした。事故の時は、影が男の子を助けるために影の海に引き込んだ。
影は男の子と一緒に遊ぼうとしたんじゃなくて、宝物だから影の海にしまっとこうと思った。河原で綺麗な石を見つけて持って帰るときに石の気持ちは考えない。


