人形少女と二人ぼっち

「ねぇ、ましろ、ずっと、わたしの側にいてくれる?」

私は、ずっと、いのりの側にいる。私は、花帆のものだから

いのりは、しばらく私の瞳を見つめていた。私の心の中を探るように

「そうだよね。ましろは、花帆姉のお人形だもんね。ずっと、この家にいてくれるよね」

うん、私は、ずっと少女のままで、きっと、いのりは大人になっていくのだろうけど、私は、ずっとこの場所いる

「よかった…。わたしは、ましろが側にいてくれるなら、それだけでいいや」

それでいいよ。辛いなら、外になんて行かなくていいよ。苦しい思いしてまで、学校なんて場所、行かなくていいよ

私の前に置かれたティーカップの紅茶は、とっくに冷めていた

それから、いのりは、ゲームをしたり、漫画を読んだり、お菓子を食べたり、時折、教科書を開いて、シャーペンをくるくる回したりした

何か面白いことや、発見があると、私に声をかけてきた

私達の間に会話が成立しているわけではない

だけど、それだけでよかった