人形少女と二人ぼっち

いのりは、紅茶にお砂糖を入れ、スプーンでくるくるかき回して、口をつけた

「あの、さ…、わたし、なんで、ずっと家にいるのかって思ってるでしょ?」

いや、思っていない。私だって、店やこの家から外に出たことない

「あの、ね…、わたしくらいの年の子は学校に行くの、普通は」

学校…。初めて聞いた

「勉強するところだよ。ちゃんと勉強して、進学して、卒業しないと、花帆姉みたいに働けないの」

そうなのか。勉強と言うのは家では、できないのだろうか…

「あのね、中学入った頃から、学校行くと、急に足がすくむようになったの。教室に入ったら、誰か見てるんじゃないかって思って、息苦しくなって…」

いのりは、本当に辛そうにしていた

「それでね、学校行けなくなった。お母さんもお父さんも、わたしのこと、腫れ物に触るみたいになって…

だからね、大学出て一人暮らししてた花帆姉のところに、転がり込んだんだ」

人間の少女も大変なのだと思った