人形少女と二人ぼっち

「これでよしっと。ねぇ、ましろ、これで今晩大丈夫?」
いのりは、私にブランケットをかけて尋ねる

大丈夫だと思う。十分すぎるくらいに

「じゃあ、また明日ね。おやすみなさい。私の大切なましろ」
花帆が、私の頭を撫でた。そして寝室に消えていった

「花帆姉さ、ちょっと変わった所あるけど、そのうち慣れるよ。おやすみ、ましろ」
いのりも、夜の挨拶をして、寝室へ入った

今日は、私にとって、嫌な一日ではなかった

窓からは月の光が差し込む

夜なんて、人形にとってみれば一瞬だ

目を閉じることもなく、暗がりでも、瞳のガラス玉は、夜の鈍い光をとらえる

でも、ここは、骨董品に囲まれた殺風景なアンティークショップではない

私には、もう、花弁の舞う天蓋は、必要なかった