愛故に





彗斗くんの名前を出されて明らかに動揺してしまった。



こんなのはいそうですって言ってるようなもんじゃん…。



「それで?何があったの?」



「何もないもん。」



「顔には何かありましたって書いてるよ?」



朝、電話してくれたこと。
寝起きの声を可愛いと言われたこと。



言えるわけない…思い出すだけで恥ずかしい。



「あとで聞かせてもらおーっと!」



「だから何もないってば〜。」



彩花は私の反応がおもしろいのか、ずっと楽しそうに笑っていた。