君と紡ぐ夜明けの花

「おはよう」

毎朝そう言うたびに、私は自分がこの家に必要とされていないことを思い知らされる。

でも、いつものことだ。

「……おはよう」

返事がないことを気にしないふりをして、私はリビングへ向かった。

「花音、おはよう!」

「おはよう、花音。よく眠れた?」

「うん! お母さん、おはよう!」

「おはよう、花音。朝ごはんできてるわよ」

そこには、楽しそうに笑い合う母と花音の姿があった。

私はその光景を少し離れたところから見つめる。

同じ家に住んでいる。
同じ名字を持っている。

それなのに――

どうして私は、ここにいないみたいなんだろう。

「……お父さん、おはよう」

勇気を出して声をかけてみる。

けれど父は、私を見ることもなく新聞をめくった。

「花音、今日学校終わったら一緒に買い物行きましょうか」

「ほんと? 行きたい!」

「何が欲しい?」

「えっとね――」

また、私の声だけが消えていく。

私は何も言わず、自分の席に座った。

もう、慣れている。

……慣れてしまった