時が経つにつれて、二人は少しずつ大人になっていった。
幼い頃にはただの寂しさだと思っていたものが、
いつしか、はっきりとした「探しもの」へと変わっていた。
彼は、街を歩くたびに人の顔を見るようになった。
学校でも。
駅でも。
街中でも。
自分でも気づかないうちに、誰かを探している。
けれど、どれだけ人がいても――
「違う。」
そう思う。
なぜそう思うのかは分からない。
ただ、違う。
自分が会わなければならない人は、この人ではない。
彼女も同じだった。
友達と笑いながら歩いていても、
ふと誰かを目で追ってしまう。
けれど、そのたびに胸の奥で感じる。
――違う。
この人じゃない。
そんなことを繰り返しているうちに、二人は少しずつ気づき始めていた。
自分が探しているのは、
ただの「誰か」ではない。
きっと――
自分にとって、とても大切な人なのだと。
けれど、その人がどこにいるのかは分からない。
いつ会えるのかも分からない。
それでも二人は、探すことをやめなかった。
そして十五歳になった彼と、十三歳になった彼女。
その頃から、二人の見る夢に少しずつ変化が現れ始めた。
今まで顔の見えなかった誰かが、
夢の中でこちらを見ている。
まだ顔は分からない。
けれど――
以前より、ずっと近くにいる。
そしてある夜。
二人は、初めて同じ場所を夢に見た。
静かな公園。
大きな木。
その下にある古びたベンチ。
そして――
誰かが、そこで待っている。
彼は夢の中で、その場所を見つめた。
なぜか胸が激しく鼓動する。
「……ここだ。」
目が覚めた後も、その景色だけは鮮明に残っていた。
一方、彼女も同じ夢から目を覚ました。
胸に手を当てる。
理由は分からない。
けれど、今日はいつもと違う。
今まで感じたことのないほど強く、
――行かなければ。
そう思った。
そして二人は、それぞれ別の場所で同じ決意をする。
明日。
あの場所へ行こう。
二人はまだ知らない。
そこが、長い長い時間をかけて探し続けた二人が、
初めて巡り会う場所になることを。
