マ国の皇宮に、慌ただしい声が響き渡った。
「殿下が……いらっしゃいません!」
ルーファンスが姿を消した。
護衛も、侍従も、誰一人として行き先を知らない。
皇帝はすぐに各地へ捜索の命を出した。
「何としてでも見つけろ!」
同じ頃。
リュミエラ国でも、皇宮が騒然としていた。
「リリア様がおられません!」
皇女の姿が、突然消えた。
エリオットにも行き先は知らされていない。
両国はすぐに国境や街道を調べ始めた。
そして――。
数日後。
両国のもとへ、ほぼ同時に一つの報告が届いた。
「玄都国に、殿下と皇女殿下がいるとの情報が入りました」
「……何?」
マ国皇帝の顔から、表情が消えた。
リュミエラ国皇帝もまた、報告を聞いて言葉を失った。
さらに続いた報告。
「お二人は……玄都国で共に暮らしているようです」
二人が一緒にいる。
その事実に、両皇帝は初めて気づいた。
以前、ルーファンスが言っていた。
――好きな人がいる。
リリアも言っていた。
――その人以外とは結婚したくない。
あの時、二人は相手の名前を決して明かさなかった。
「まさか……」
マ国皇帝が呟く。
「……あの時の『好きな人』が、リリアだったというのか」
リュミエラ国皇帝も、同じことに気づいた。
「ルーファンス……?」
二人は、しばらく何も言えなかった。
そして――。
怒りが込み上げる。
「子供の幸せを考えて、別の相手まで用意したというのに……」
マ国皇帝の拳が、机を叩いた。
「その婚姻を捨てて、異国で勝手に結婚だと!?」
リュミエラ国皇帝も同じだった。
二人を可哀想だから見逃す。
そんな考えには、ならなかった。
むしろ、自分たちがどれほど二人の未来を考えていたのかを知っているからこそ――。
その裏切りに、怒りを抑えることができなかった。
そしてこの時。
まだ誰も知らなかった。
二人の逃亡をきっかけに、両国の間で再び大きな火種が生まれようとしていることを。
「殿下が……いらっしゃいません!」
ルーファンスが姿を消した。
護衛も、侍従も、誰一人として行き先を知らない。
皇帝はすぐに各地へ捜索の命を出した。
「何としてでも見つけろ!」
同じ頃。
リュミエラ国でも、皇宮が騒然としていた。
「リリア様がおられません!」
皇女の姿が、突然消えた。
エリオットにも行き先は知らされていない。
両国はすぐに国境や街道を調べ始めた。
そして――。
数日後。
両国のもとへ、ほぼ同時に一つの報告が届いた。
「玄都国に、殿下と皇女殿下がいるとの情報が入りました」
「……何?」
マ国皇帝の顔から、表情が消えた。
リュミエラ国皇帝もまた、報告を聞いて言葉を失った。
さらに続いた報告。
「お二人は……玄都国で共に暮らしているようです」
二人が一緒にいる。
その事実に、両皇帝は初めて気づいた。
以前、ルーファンスが言っていた。
――好きな人がいる。
リリアも言っていた。
――その人以外とは結婚したくない。
あの時、二人は相手の名前を決して明かさなかった。
「まさか……」
マ国皇帝が呟く。
「……あの時の『好きな人』が、リリアだったというのか」
リュミエラ国皇帝も、同じことに気づいた。
「ルーファンス……?」
二人は、しばらく何も言えなかった。
そして――。
怒りが込み上げる。
「子供の幸せを考えて、別の相手まで用意したというのに……」
マ国皇帝の拳が、机を叩いた。
「その婚姻を捨てて、異国で勝手に結婚だと!?」
リュミエラ国皇帝も同じだった。
二人を可哀想だから見逃す。
そんな考えには、ならなかった。
むしろ、自分たちがどれほど二人の未来を考えていたのかを知っているからこそ――。
その裏切りに、怒りを抑えることができなかった。
そしてこの時。
まだ誰も知らなかった。
二人の逃亡をきっかけに、両国の間で再び大きな火種が生まれようとしていることを。
