私のイケメンヒーローは、どこかおかしい

二人が再会した、その夜。

ルーファンスとリリアは、玄都国皇帝のもとを訪れていた。

二人は、これまでのすべてを話した。

政略結婚を持ちかけられたこと。

それを二人とも拒んだこと。

その後、玄都国で初めて出会ったこと。

そして――。

互いが、自分たちの政略結婚の相手だったと知ったこと。

別々の相手と婚姻したこと。

それでも互いを忘れることができず、再びここへ戻ってきたこと。

玄都国皇帝は、黙って二人の話を聞いていた。

幼い頃から、二人のことを知っている。

だからこそ、二人がどれほど苦しんできたのかも分かっていた。

「……お前たちは、本当にそれでいいのだな?」

皇帝の問いに、ルーファンスは迷うことなく答えた。

「はい」

隣にいるリリアも、静かに頷く。

「私は、ルーファンスと生きたいです」

二人の決意を見つめ、皇帝は深く息を吐いた。

「ここは中立国だ」

「分かっています」

「お前たちを匿えば、マ国とリュミエラ国の両方から敵と見なされる可能性がある」

それでも、二人は何も言わなかった。

皇帝はしばらく考えた。

そして――。

「それでも、私はお前たちを追い出すつもりはない」

リリアが顔を上げる。

「……陛下」

「お前たちが自分の意思で選んだ道なら、最後まで見届けよう」

二人の目に、涙が浮かんだ。

「ありがとうございます」

ルーファンスが深く頭を下げる。

皇帝はそんな二人を見つめ、静かに言った。

「ただし、ここにいる間は皇子でも皇女でもない」

「……はい」

「ただの一組の男女として、生きなさい」

その言葉に、二人は顔を見合わせた。

ようやく――。

誰かに決められた道ではなく、自分たちで選んだ道を歩ける。

二人は静かに、互いの手を握った。