恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



しかし、半年間ユリウスの助手を務めているイザベラにとって、それらの奇行は特段珍しいことではなかった。


「先生が変なのはいつものことなので、むしろおかしな行動をしていない時がないです」

「.......そうか。まぁ、頑張れよ...」

「はい、ありがとうございます!」


どこか遠くを眺め、何かを諦めたようなマルコーにイザベラは今回の診察を含め、力強くお礼をする。

一礼をしてから医務室を出ると、先ほど追い出されたユリウスが椅子に座った状態で待機していた。

部屋から出てきたイザベラを一瞥するなり、仏頂面のまま顔を背ける。


「特に問題なかったみたいなので、戻りましょうか」


もちろん、ユリウスからの反応はない。

このぐらいじゃ動じなくなってしまったイザベラは、そっぽを向き続けるユリウスを置いて、歩き出す。