恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



ユリウスも相当怒っており、椅子の上で暴れ、怒鳴りつけるも、抵抗虚しく笑顔の看護婦によって部屋の外へと追い出されていく。

目の前で疾風のように起こった出来事に唖然としていると、マルコーが隣に立った気配がした。


「...フローベルの助手になってから、長いのか?」

「えっ、は、半年ぐらいになりますが...」


唐突に質問されたので咄嗟に答えてしまったが、何故今そのような質問をしてくるのかイザベラは疑問に感じる。


「ここ最近、やつの言動におかしなところはなかったか?」

「おかしなところ...?」


最近のユリウスの奇行を思い出してみる。


「...確かに、ここ数日は変に視線を感じることがありました。でも、目を合わせようとするとすぐ逸らされます。あと近付こうとすると拒否反応が出るようになりました。やっと慣れてくださったと思ったのですが...」


他にも返事が一拍遅れたり、自分から離れていくくせに、いざイザベラが距離を取ろうとするとなんだか不機嫌になる。