「あの、何かの御冗談ですよね?」
ユリウスが自分に好意を抱いているという衝撃的な発言を受けたイザベラはマルコーに聞き返した。
あの天才魔術師が、魔術以外興味を持たないユリウスが人を好きになることなんてありえないとまでは言わない。
けど、自分がその相手だということはにわかには信じがたい。それこそ、ありえない話だ。
イザベラはユリウスにとって、ただの世話焼きの助手でそれ以上でもそれ以下でもないはずなのだ。
マルコーはイザベラに対し相当苛立っているのか、盛大に舌打ちをする。
「んなくだらねぇ冗談いうほど、暇じゃねぇんだよ!!!お前らの恋愛ごっこに巻き込まれるこっちの身になってみろ!!!いい加減にしろってんだ!!!」
本気で憤っているマルコーに思わず怯んでしまいそうになるイザベラだったが、さすがにここで引くわけにはいかなかった。
もし、ユリウスが自分に好意を持っているなどと勘違いして、それが周囲に知られでもしたら。
ユリウスの名誉に関わるし、何より迷惑をかけてしまう。
そんなことになったら、イザベラはユリウスの助手を辞めさせられるかもしれない。
それだけはなんとしても避けたかった。
「でも...でも...」

