恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



イザベラの異変に気付いたマルコーが顔を顰め、聞いてきたので、テオドールとの会話を話していいものかとイザベラは一瞬悩む。

モヤモヤしたまま寝ると、明日の目覚めに影響が出るかなと考えたイザベラはテオドールとの会話を一部抜粋してマルコーに話すことにした。


「その...王太子殿下が変なことを言ってきたんですよ。なんか、先生...ユリウス先生がわたしのことを特別だって...」

「なんだ、そんなことか」


そこまで聞いて、マルコーはつまらなそうに、カルテに視線を戻す。

そして、カルテにペンを走らせながら、なんでもないかのような口振りでイザベラに告げる。


「あいつは、ユリウス・フローベルはお前に好意を抱いているのは目に見えてわかる」

「.......は?」


とんでもない爆弾発言にイザベラは目を見開かせる。


「だから、あいつはお前に惚れてんだよ!!!」


あまりにも鈍すぎるイザベラの反応に苛ついたマルコーは面倒くさそうに声を上げる。


「.........は?」


いったい今、何と言われたのだろうか。

理解が追い付かず、思考が完全に停止したイザベラは何度も目を瞬かせるのであった。