恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



なにがおかしいのか、テオドールは額を押さえながら肩を震わせていた。


「...殿下?」

「すまない。ここまでとは思わなかったのでな...。これはフローベルも苦労するはずだ」

「あの、仰ってる意味がよくわからないのですが...」

「失礼。だが、これ以上わたしの口から言うのは憚られるので、フローベルに直接聞くといい」


肝心なことを言わないなんて要領が得ないなと不服なイザベラは眉をひそめる。

そんなイザベラの反応を見て、テオドールは気が緩んだのか、パイプ椅子の上で足を組んだ。


「正直、君たちに薬の依頼をしたことを少し後悔していたが、君たちなら質の高いものを完成させると期待しているよ」

「はぁ...」


話の流れ的に何故惚れ薬の話題が今、出てきたのかわからないイザベラは適当に相槌を打つ。