恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



テオドールは小さく息を吐き、弱々しく微笑んだ。


「...なるほど。これだから、薬が中々出来ないわけだ...」

「...王太子殿下?」


なんだか少し吹っ切れたようなテオドールの表情に、イザベラはますます不安になる。


「すまない。君には少し、言葉足らずだったようだ。なら、断言しよう。君はユリウス・フローベルにとって特別な存在だ」

「......は?」


今度こそ何言ってるのか本気でわからず、王太子相手なのに素っ頓狂な声を上げてしまった。

だが、すぐに同じことだと理解したイザベラは自信満々に答えようとした。


「はい、ユリウス先生にとってわたしは少なからず使える...」

「もちろん、助手として、と言っているわけではない」


イザベラの言葉に被せるように否定され、思わず戸惑う。

助手としてではないというのはどういうことだろう?介護士としてということか?それとも、飼い主?乳母?