恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「先生、自分の研究の妨げられたこと、相当怒っていましたよね...。あとで、わたしから謝罪しておきます」

「......」


テオドールは赤色が光る茶色い瞳を瞬かせ、数秒間沈黙する。


「...君は、何を言っているんだ?」


言ってることが理解できないような口振りに、イザベラはきょとんとテオドールを見つめる。


「えっ、だって...先生、助手が不在で迷惑してるって怒っていたんですよね...?」

「何故、そうなるんだ。君が倒れたことにフローベルは怒っていたんだ」

「だから、それは本来必要ない余計な仕事を増やされた煩わしさで...」

「彼は君を心配していたんだ」


一瞬、何を言われたかイザベラはわからず、思考が止まる。

先生が、わたしを...?

腕を組み、少し考えた後、イザベラは納得したように大きく頷いた。


「そうですね!わたしがいないと、研究室が機能しないし、先生の生命維持も大変ですよね!!」


しかし、そんなイザベラの反応にテオドールは信じられないものでも目の当たりにしたような表情をし、絶句していた。