恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「此度の件、わたしの我儘に巻き込んでしまい申し訳なかった」


突然の行動に驚いたイザベラはベッドから身を乗り出し、慌ててテオドールの顔を上げさせようとする。

しかし、王族に触れるのを躊躇ってしまい、伸ばした手は空中で意味もなく空振る。


「お、おやめください、王太子殿下!!わたしのようなものに、謝罪なんて...顔をお上げください!!」


やっとのことで声を上げることが出来たが、イザベラの声でテオドールの顔が上がることはなかった。


「いや、このような事態を招いてしまったことを詫びたい。身体に支障をきたすまで追い詰めてしまい、我が国の優秀な魔術師を失ってしまうところだった。深く反省している」


けれど、テオドールの表情はあまりにも真剣だった。

イザベラはそれ以上止めることもできず、大人しく謝罪を受け止めるしかなかった。


「研究費凍結はあまりにも横暴だった。フローベルの言動に腹を立て、わたしもおとな気なかった。未払分はすぐに支給させよう」