恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「お前をここに連れ込んだのはやつだからな。正確には姉のグロリア少尉がお前を運び、やつは付き添いだったな」

「グロリア様が...!?」


まさかの人物に運んでもらったことにイザベラは驚きの声を上げる。

「お前の診察を始めようとしたら、とにかく煩くてな、気安く触るなとか、早く目覚めさせろとか...」


その時のことを思い出して、マルコーは苛立ってきたのか、持っているバインダーに何度も指で叩く仕草を見せる。


「診察の邪魔だったので、姉に連れ帰ってもらった。あいつのおかげで、またペンが一本無駄になった」


医務室で暴れ回るユリウスを容易に想像できてしまい、イザベラは自分が倒れたことにより思った以上に多くの人へ迷惑をかけてしまったのだと、申し訳なさで胸がいっぱいになった。

だが何よりも、ユリウスに余計な手間をかけさせてしまったことが心苦しかった。


「...先生に、迷惑、かけてしまいましたよね...」