恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



そんな恐れを抱いたイザベラはいてもたってもいられず、重たい体のままベッドから下りようとする。


「ふざけるな!!!病人は大人しくしてろ!!!てめぇのことだけ考えてろ!!!!」


憤ったマルコーの声にイザベラは肩を震わせ、動きを止める。


「他人のこと気にかけてて、死にかけてる暇があるんだったら、てめぇの体調をまずなんとかしろ。共倒れなんかされたら、そっちのほうが厄介だ」

「すいません...」


正論をぶつけられ、イザベラは萎縮するように顔を俯ける。

今この状態で研究室に戻っても、完全に足手まといになってしまう。

そうなるとますますユリウスの迷惑になってしまうと考えたイザベラは、大人しくベッドの上で横になり、マルコーに背を向けた。


「...お前が倒れてからまだ数時間も経っていない。そんなすぐに死にはしないだろう」


すっかり意気消沈してしまったイザベラに、マルコーはバツが悪そうに小さく呟く。


「それに、ここで相当暴れ回ったんだ。気力は有り余っているはずだ」

「...先生、いらしてたんですか?」


マルコーの言葉でイザベラはまた体を起こし、彼に向き直る。

その反応にマルコーは呆れたように息を漏らす。