恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



「っ...」


朧気な意識の中、瞼越しに差し込む光で視界の奥が白み、イザベラはゆっくりと瞼を開けた。

真っ白な天井が最初に目に入り、独特な薬の匂いが鼻をくすぐった。

ここは...医務室...?

辺りを見渡し、自分がベッドの上で横たわっていることを理解したイザベラは起き上がろうとするも、体に力が入らない。

腕の力を使い、枕を背に挟み、なんとか上体を起こす。

すると、扉のノック音が聞こえ、扉が開くと、看護服を身に纏った女性が部屋に入ってきた。


「あら、お目覚めになったんですね」


彼女はイザベラに微笑みかけ、傍らまで寄ってくる。


「即効性の栄養剤を投与しましたが、ご加減はいかがですか?」

「...えっと、まだ少し体が重たいです...」


詳しい状況はわからないが、素直に自分の状態を答えると女性は持っていたバインダーに何かを書き記した。


「わかりました。先生を呼んできますので、少々お待ちください」


小さく会釈すると、女性は部屋を出て行った。