恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで



頭を撫でると、嬉しそうにはにかむヨハンナに癒される。


「先生、ヨハンナちゃんです」

「...は?」


間髪入れずにヨハンナを紹介すると、未だに状況を理解できずに突っ立ているユリウスの低い声が落ちる。

その姿に怯えたのか、ヨハンナは隠れるようにイザベラの後ろに逃げ込んだ。


「先生、相手は幼稚園児ですよ。そんな威圧的にならないでください」


口を尖らせ、そう注意するとユリウスは面白くなさそうに顔を顰めるも、ゆっくりと膝を折る。


「...ユリウス・フローベルだ」


いつもの不遜な態度とは違い、どこかぎこちない挨拶だった。

思わず吹き出しそうになったイザベラだったが、ユリウスが睨んできたので慌てて顔を逸らす。


「...よ、ヨハンナです」


警戒心が弱まったのか、イザベラの後ろからヨハンナが顔だけ出して、挨拶する。

どこか微笑ましいその光景に、イザベラは小さく笑みを零した。