キスから始まる恋は甘くて苦い

 ゴールデンウィークに入ると、他校との合同練習と部内稽古、古巣の道場へ赴いて稽古をつけてもらったり……あえて日々を忙殺した。
 試合では、個人戦で準優勝した。
 関東大会への出場を決めて勢いはついたけれど、連休明けからは何事もない日々を過ごした。
 朝、待ち合わせるでもなくほたると一緒に登校して。部活後は雅也と帰る彼女を時々見かけた。
 メールは気が向いたときに。通話で他愛のない話もした。
 ただ、夜の8時以降じゃないと電話はつながらなかった。
 そして、いつも連絡は蒼一の方からだった。

 嫌われてるわけじゃない。

 はっきりいって、好意は感じられる。その感覚は経験から身に着いていた。
 でも、ほたるから働きかけてくることは一度もなかった。
 団体戦も予選を突破して落ち着いた月曜日、いよいよ我慢できなくなった蒼一は強行突破を図った。
 総会直前で忙しい雅也を待つため、ほたるは遅くまで学校に残っていると踏んで。

『話がある。部活が終わったら、校門の外で待ってる』

 そうメールをしたあと、まるで果たし状だなとツッコミをいれながら待つ。