キスから始まる恋は甘くて苦い

「永瀬さんと、麻生くん?」

 数メートル先にほたると雅也が並んで歩いている。

 あんなに慌てていたのは、つまり……

 麻生に会いたいから、ってことなのか?

「麻生くんって、去年の生徒会長と付き合ってたよね。覚えてない? 永瀬まひるさん」
「…………」

 そんなことを知らなかった蒼一は、瞳の言葉を理解するのに一瞬の間を要した。

「永瀬さんのお姉さんだよ」
「……は?」

 そして、疑わしい目つきで瞳を見た。

「嘘じゃないよ。さっき永瀬さんに確認したし」

 いつの間にそんなことを聞き出したのだろうか。

「あっ……」

 ふと、ほたるに初めて会ったあのときのことを思い出して蒼一は声を上げた。
 メガネを掛けた顔をどこかで見たような気がしたのは、前生徒会長に似ていたからなのか。

 じゃあ、麻生とほたるは……

 付き合ってるわけじゃない?