キスから始まる恋は甘くて苦い

「待ってる間、退屈じゃない?」
「図書室で本を読んだり勉強ができるので、大丈夫です」
「そっか」

 校門を出て歩道橋を渡り、バス停の前で足を止める。

「それにしても、だいぶ陽が伸びたね」

 向き直ると、夕陽に照らされたほたるの髪に白いものが落ちてきた。

「あっ、ちょっとごめん」

 黄金色に輝く髪に手を伸ばした雅也がそれを指でつまむ。

「綿毛だ。風に乗ってきたのかな?」

 微笑み、再び綿毛を風に乗せる雅也。

「ありがとうございます……」

 その姿を眺めていたほたるは、ふいに涙が込み上げてきて慌てて顔を背けた。