鏡台の上に置かれた黒縁メガネにふれる。毎朝そうしないと落ち着かないからだ。
「おはよう」
朝一番の挨拶に返答はなく、永瀬ほたるは咳払いをした。続けてメガネを手に取り、慎重に耳へ掛ける。
彼女は鏡の中の自分を見つめ、小さなため息を吐いた。
相変わらず似合ってないな……
スクエア型をしたメガネの位置を微調整し、逃げるように鏡面へ背を向ける。
家族に声を掛けて玄関を出ると柔らかい風がほたるの長い黒髪を揺らした。
高校に入学して約1か月、穏やかな週明け。
通いなれた道……だけど、今日は違和感を覚えて無意識に足を速めた。
まだ、来ないのかな?
いつもは十字路をすぐ左に曲がるけれど。ほたるは少し進んで誰かを捜すように右側を振り向いた。
辰巳蒼一は意外に慎重な性格だ。
なので十字路の手前に差し掛かるといつも自転車を減速させている。けれど、今日は違った。
忘れ物を取りに途中で家へ引き返したから無意識に急いでいたのかもしれない。
「おはよう」
朝一番の挨拶に返答はなく、永瀬ほたるは咳払いをした。続けてメガネを手に取り、慎重に耳へ掛ける。
彼女は鏡の中の自分を見つめ、小さなため息を吐いた。
相変わらず似合ってないな……
スクエア型をしたメガネの位置を微調整し、逃げるように鏡面へ背を向ける。
家族に声を掛けて玄関を出ると柔らかい風がほたるの長い黒髪を揺らした。
高校に入学して約1か月、穏やかな週明け。
通いなれた道……だけど、今日は違和感を覚えて無意識に足を速めた。
まだ、来ないのかな?
いつもは十字路をすぐ左に曲がるけれど。ほたるは少し進んで誰かを捜すように右側を振り向いた。
辰巳蒼一は意外に慎重な性格だ。
なので十字路の手前に差し掛かるといつも自転車を減速させている。けれど、今日は違った。
忘れ物を取りに途中で家へ引き返したから無意識に急いでいたのかもしれない。


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