「んーと…すごく言いたくないんだけど。
最初はプロフィール、ちゃんと自分の顔写真載せてたんだけど…
イイネが殺到しすぎちゃって…」
雪の顔は、色白で小さな造りになっている。
切れ長な瞳と通った鼻筋、下だけ少し厚みのある唇。
プロフィールを完成させて登録し終わると、
万人の閲覧しやすい夜間ということもあるだろうが、
数秒でイイネが80件きた。
昼も夜もイイネの通知が鳴り止まず、
むしろ恐怖を覚えた。
こんな大勢…。誰とマッチングすればいいの?と。
何とか勇気を振り絞って、相手のプロフィールを確認して良さそうな人数人とやり取りを始めたが
「素敵な方だと思いイイネしました」
「美人ですね!加工じゃないですよね?」
「一目惚れしました」
みんな顔、顔、顔…。
そんな人たちと続けるメッセージに意義を見出せず、
やり取りはすぐに途切れた。
数日後、耐えられなくなり顔写真を消した。
すると悲しいことに、29歳のしがない保育士なんて肩書きだけでは魅力がないのだろう、イイネは減少した。
私の中身にイイネしてくれる人はいないわけね…
と、虚しい気持ちになっていたところへマッチングしたのが長谷川夏だった。
「長谷川さん、よく顔写真ないのにイイネしてくれたね」
「顔写真載せてないのに、イイネ数がやたら多いから気になってたんだ。
名前とかで会話も良かったし、結構楽しみにしてたんだけど…」
それはお互い様だ。
