Fahrenheit Ⅳ



そいつとはどーゆう関係なんだ!


朝、昨夜見た景色は変わっているっていると言うのに、その景色にさえ目が行かないぐらい。


悶々としたまま風呂に浸かっていると、「部長~、部長も朝風呂ですかぁ?」と佐々木が下半身にタオルを巻いて現れた。


俺のマグナムを見た後だからな、そのせいで巻いているのだろうが。


「今日はもう帰るだけですから少しゆっくりできますね~」と佐々木は俺の浸かっている湯に入る。「そう言えばさっきお土産屋さんで柏木さんを見ました。色々買ってたみたいですけど、木下リーダーや瑞野さんの分まで買ってて、ああ見えてすごい気遣いできる人ですよね」と佐々木はどこか感心したように遠くを見ている。


「ああ、そうだな」と気の無い返事をしていると


「あ、緑川さんの分も選んでましたよ」


は?緑川の分も?


瑠華も律儀だなぁ…緑川なんて放っておけばいいもんを。


土産がないぐらいで拗ねる……な、あいつは。


「優しいですよね~柏木さん、冷たそうに見えるけどそう言う気遣いができて。そういうとこも好き……」


ザバァ!


俺は風呂から立ち上がると佐々木が目を丸めた。


そのまま佐々木の頭を押さえて溺れさせたいが、その気持ちを抑えて


「のぼせたから出る」とそっけなく言って俺は風呂から出た。


面白くない、面白くない、面白くな~い!


確かに瑠華は誰もが認める美女で、佐々木の言うように冷たく見えて中身はすっげーあったかい人だけど。


だからこそ、他の男共が好きになる気持ちは分かるけど。


でも一番瑠華を好きなのは俺だもんね!と子供みたいな考えを浮かべながらがしがしと髪を拭く。


髪を拭きながら、鹿せんべいのヤツの存在がやはり頭をよぎり、俺は頭を振った。





『愛してます』




今は瑠華の言葉を信じるしかない。