結局、次の養老SAまで1時間ちょっとで行けるところを二時間近くも掛かって、
「次、養老で休憩しましょう」と瑠華が前のめりになって佐々木を酷く心配しながら言いだした。
佐々木は何とか言われた通り養老SAに入ったものの、運転席から出てくるなりよろよろしながら肩で息をしている。
俺たちも同じだ。
佐々木の運転、怖すぎる。それはどんなに怖いと噂のお化け屋敷に入るよりも、どんなにデンジャラスな遊園地のアトラクションに乗るよりも。命があるだけましだ。
息を整える為、またもタバコ休憩。佐々木はコーヒーをまたも買いに行っている。
「佐々木さんの運転、正直怖すぎます」と瑠華がげっそりとした顔で言った。
「俺も。怖すぎる。しょうがない、次からは俺が代わる」
「いいえ、部長には長時間運転してもらっているので今度は私が」と瑠華が言いだし
「え?」俺が目をまばたいていると
「高速ははじめてではないし。佐々木さんよりはましかと」との意見に、正直ありがたかったが、でも瑠華に運転させるのはな~、これから仕事も控えてるわけだし。と俺の中は意見が行ったり来たり。
「コーヒー、買ってきました」と佐々木の登場に
「佐々木さん、次は私が変わります」と瑠華が言いだすと佐々木は目をまばたいた。
「いえ、でも」
「皆さんそれぞれ疲弊している状態です。私がします」と言うと
「お、お願いします~」と佐々木は今にも泣き出しそうに瑠華にキーを渡した。
タバコも吸い終わり、トイレ休憩も終わった。
瑠華の運転がどうなのか気になったが、でも以前環八で飛ばしていたし、瑠華の運転で一色まで行ったことを思い出し、委ねることにした。
今度ばかりはナビ派あるが道案内だから、と言う理由で俺が助手席に座り、運転席に瑠華。後部座席には佐々木一人。
最初は慎重派の佐々木と一緒で不安だったが瑠華の運転は佐々木よりかなりスムーズで、し・か・し、瑠華は飛ばす飛ばす!涼しい顔して180キロを出し、その妙な気迫に追い越し車線の車が避けていき、予定より2時間も早く到着できた。途中覆面パトにつかまらなかったのは運がついていたのだろうか。佐々木とは違った意味で俺はちょっと怖かった……
到着したのは昼ちょっと過ぎ。最後殆ど瑠華が運転していたのに、瑠華は涼しい顔。
奈良支店での仕事も特に問題なく終わり、アメリカから来日したと言う三人の男女とは瑠華が会話をして、それを通訳してくれながら書類のいくつかの確認。それも滞りなく終わり、予定よりだいぶ早く終わることに。
だ・け・ど
「あれが噂の本社の柏木補佐?ヤベ!すっげぇ可愛い!」
「彼氏とかいるんかな」
「いるだろ、あれほどのレベル早々居ないぞ」
何人かの男の社員がさりげなさを装って瑠華と番号交換を狙っていたが、俺が阻止をするより早く相変わらず氷の対応でそれを断っていた瑠華。
ほっ。



