Fahrenheit Ⅳ


「Hey, Mom, what were those ladies talking about just now?(ねぇママ、さっきのおばちゃんたち何話してたの?)」


「You said July is cute.(ユーリが可愛いって)」とユーリの頭を撫でるとユーリはくすぐったそうに笑った。


「Do you think July is cute too, Mom?(ママもユーリが可愛いと思う?)」と聞かれ


「Of course.(勿論)」と答えながら、いそっぷ橋を渡ると、その先はペンギンやフラミンゴなんかの動物が柵の中で思い思い過ごしていた。


レッサーパンダも見たし、キツネザルも見た。キリンやサイ、カバも見終えて、最後子供動物園に向かったが、モルモットなどの小動物に触れられるサービスはどうやら平日しか行ってないみたいで、ユーリは名残惜しそうに背伸びをして柵からモルモットやうさぎを見つめていた。


一通り見終わってユーリは満足そうにしていたが


「The lion wasn't there.(ライオンさんがいなかった)」とぽつりとつぶやいた。


「Does July like Lion?(ユーリはライオンさんが好きなの?)」と聞くと、ユーリはこくりと頷いた。


意外だった。確かにユーリは大きな生き物に特に反応していたけれど、まさかライオンが好きだったなんて。


「You know, when I went to the zoo with Dad, there was a lion there.(あのね、パパと動物園に行ったときライオンさんいたの)」


「And?(そう)」


「It was so sad to see the lion—the father lion, the mother lion, and the baby lion—all kept in separate cages. Why can’t the family stay together?
(ライオンさん、お父さんライオンさんとお母さんライオンさんと子供のライオンさんが別々の檻に入れられてて、可哀想だった。家族一緒にどうして一緒に居られないの?)」


この質問にはどう答えていいか悩んだ。


それは―――マックスとあたし、ユーリが一緒に過ごせないことを言っているのだろうか。


「So the lion was having a family fight at the time. They were kept apart because it would be dangerous if they got hurt.
(そのときライオンさんは親子喧嘩をしてたのね。怪我をすると危ないから別々だったのよ)」と苦しい言い訳を述べ


「Are Mom and Dad fighting too?(パパとママも喧嘩中?)」と突っ込みが入ったとき益々何と答えればいいのか分からなかった。


「Well, Mom just doesn't understand what Dad's thinking.(さぁ、ママにはパパの考えが分からないの)」


「Even though you're an adult?(大人なのに?)」







「大人だからこそよ」