Fahrenheit Ⅳ


はぁ~、俺って独占欲強すぎ??


誰も知らない瑠華の姿を見せたくないなんて。


そりゃ瑠華はすっぴんでもメガネでもすっげぇ可愛いんだけどね。だからこそ、俺だけがその姿を知っていたいって言うか…


「すみません、僕お邪魔しちゃったみたいで」


と菅井さんは頭の後ろを掻く。


「いえ!大丈夫です。大丈夫……」


じゃない。


仕事とは言えこうやって繋がれるのは嬉しいが、その分リスクもある。


俺は落ち込んでいる姿を見せたくなくて菅井さんに強引に笑いかけた。


「料理冷めちゃいますね。食べましょう」と言うと菅井さんはちょっとほっとしたようにテーブルに戻った。


菅井さんは食事をして軽くビールや焼酎を飲んで帰って行った。


今日、帰る場所があるのか心配だったが「僕たち二人で住んでるわけだし鍵もあります。大丈夫です。それに少し時間が経ったから真咲の機嫌も直っているでしょう」と言う菅井さんの意見を尊重して俺は彼を帰した。


慌てて瑠華に電話をして、今日菅井さんが尋ねてきた理由を説明すると


『それは今が一番不安定な時期かもしれませんしね』


瑠華は―――瑠華はどうだった?なんて無神経なこと聞けない。


臆病な俺はこれ以上瑠華の顔を見ると今すぐ瑠華の家に押しかけそうで


「今日の資料、急ぎじゃないから明日の午前中また話すよ」と言って電話を切った。


ゲージの中で猫のルカが小さく「にゃぁ」と鳴いた。


「おーよしよし、今日も俺と一緒に寝るか?」と聞くと猫のルカは「にゃぁ」と小さく鳴き、俺の胸に頬ずり。


「お前は可愛いな~」と猫のルカを高い高いして持ち上げると「にゃぁ」とまたも小さく鳴いた。


その晩も俺はシャワーを済ませ、歯を磨いて猫のルカと一緒に眠った。


夢の中で、瑠華に会える気がした。