この日は早めに帰ることにした。
何と言っても家で猫のルカが待ってるからな。
餌とミルクは準備しておいたが、ひとりで食べてるかな……寂しくて食べない子も居るって聞いたことがある。俺は仕事で家を空けることが圧倒的に多いし、そんな調子であいつ食べなかったらどんどんやせ細って今度は病気になるんじゃ。
と心配して家に帰りつくと、ゲージの中でルカは大人しくしていたが俺を認めると「にゃぁ」と鳴いてゲージの檻の部分をかりかりとひっかいている。まだ子猫で爪もしっかりしていない状態なのに、可愛い肉球を見せて『出して』と言われてる気がした。
ゲージの中を見ると俺が用意したミルクも餌もちゃんとなくなっていて、ちょっと安心。俺はゲージからルカを抱き上げると
「よしよし、いい子にしてたか~」と言い頬を撫でると猫のルカは「にゃぁ」と目を細めて心地よさそうに笑ったように見えた。
「お前は素直でいい子だな~」頬を撫で続けていると
TRRRR…
電話が掛かってきた。
「わり、電話だ」ルカを抱えたまま携帯を見るとディスプレイに『菅井さん』となっていて、
「菅井さん?何だろ?」と言いつつも「はい、もしもし神流ですが」と電話に出ると
『あ、神流さん?ちょっと近くを通りかかったので、一杯飲みに行きませんか?』
今から??
猫のルカもいるし、これ以上家を空けるとこの子が可哀想だし、
「じゃぁうちで飲みませんか?ちょっと今出られなくて」と提案すると、
『ホントですか?ありがとうございます!』と菅井さんはやや大げさに感謝の言葉を述べてきた。



