Fahrenheit Ⅳ



♥Ruka♥


家に帰りつくとユーリは早速シルバニアファミリーのお家が入った箱を開け、中に入ったいくつかの家具をそれは楽しそうにその小さな家の中に並べていた。


「Hey, Mom, can you open the doll's box?(ねぇママお人形さんの箱を開けて?)」と言われ


「Sure.(ん)」と答えているとインターホンが鳴った。


モニターで確認すると紫利さんだった。


「どうぞ、今開けます」と言って開錠すると紫利さんはすぐ部屋に上がってきて来た。


「今日はね、いい魚が手に入ったからフィッシュフライにしようと思って」とスーパーの袋を下げた紫利さんは靴を脱ぎながら、笑顔を浮かべた。


「啓人とは喋れた?」


「ええ、まぁ喋れたことは喋れたんですけど」


「なぁに?問題でも?」


「いえ、何も問題なく快諾してくださいました。ただあの…」


と喋りながらリビングに向かうとシルバニアファミリーのお家で遊んでいたユーリが顔を上げ


「Yukari!(ユカリ!)」と言って紫利さんに走って行って抱き着いた。


「Oh my, you're full of energy!(あらあら、元気ねぇ)あら?」と紫利さんはすぐにシルバニアファミリーのお家を見て


「買ったの?」と当然聞いてくる。


「いえ、それが啓が買ってくれて」


「啓人が?」と紫利さんは長い睫毛を上下させてまばたき。


「悪いと思ったんですが、啓が買うって聞かなくて」


紫利さんはちょっと困ったような顔を作り苦笑い。


「いいんじゃない?彼なりに瑠華ちゃん親子に何かしてあげたいと思ったんだと思うわ」


「だけど悪い気がして」


「気にしない方がいいわよ。彼、好きな子に貢ぐタイプみたいね」とふふっと紫利さんは悪戯っぽく笑った。


好きな子―――ってユーリ??


確かにユーリも懐いていたけど。


「でも年齢が釣り合わないです」


「?そう?だって三歳ぐらいの差でしょう?」紫利さんはスーパーの袋をキッチンカウンターに置いて首を傾げる。


「三歳ってほどじゃないですよ。ユーリはまだ四歳ですよ」とちょっとため息を吐くと


「あはは!」と紫利さんは突然笑い出した。


何―――?あたし何か変なこと言った?


「私が言ったのはあなたと啓人のこと。啓人は瑠華ちゃん一筋なのよ」


え―――?