Fahrenheit Ⅳ


俺の胸の上で眠る猫はいつの間にか瑠華になっていた。白いキャミソールスリップ姿で細い肩ひもが僅かにずれている。


俺の上に乗った瑠華は柔らかく微笑んでいた。


「瑠華?」と問いかけると彼女は「にゃぁ」と鳴いた。


猫プレイか?


それも何だか新鮮でいいな。


にやにやと笑みがこぼれるのが分かった。


瑠華の茶色い髪に手を入れると彼女はくすぐったそうに笑った。


彼女の陶器のような背中を撫でるとまたも笑顔を見せてくれて






「啓――――好きよ」






と、そっと囁いてくれた。


俺もだよ。





俺も好きだ―――




愛してる。




そこで目が覚めた、


俺の胸の上に乗っていたのはまだ名前のない子猫でいつの間に起きてきたのか、俺の胸に頬ずりしていた、


「何だ、お前か」


嬉しいのが半分、残念なのが半分。


俺は猫の頭を撫でながら


「瑠華」と小さく呟いた。猫は「にゃぁ」と小さく返事をした。


「瑠華―――」もう一度囁くと、またも「にゃぁ」と鳴く猫。


俺は猫を抱き上げ


「そう言えばお前名前無かったな。”ルカ”って名前はどうだ?雌猫だし」


と言うと猫は満足そうに笑った気がした。


疑似でもいい、人間の姿をしてなくてもいい。


今は俺と瑠華二人っきりなんだ、


二人一緒に眠ってとびっきり甘い夢を見よう。


そう願いを込めて猫の”ルカ”の頭を撫でるとルカは「にゃ~」と甘い声を出して俺の胸にまた頬ずりをしてきた。


今日は――よく眠れる気がした。