愛は重くて結構です

「眠いの?」



「飴食べながら寝ると危ないよ」

細い指が俺の髪を軽く梳いた。
ネイルをしていない綺麗な自爪が耳元をくすぐった。
下から見る彼女の顔を瞬き一つせずに見つめ続ける。
こんなに熱い視線を注いでいれば普通の人は気付くはずなのに、彼女は気付かなかった。

「私、今日は早退するね」

「なぜ?」

「んふふ、内緒」

これもいつものやり取りだ。
彼女はよく早退をした。