愛は重くて結構です

「そう」

「そうそう」

いつものやり取りに俺は彼女を一瞥する。
流石にどの寒がりも暑いと喚く猛暑の夏がやってくる。
それでも彼女は寒い寒いと言って聞かない。
肩より下の髪も結ぶこともなかった。
まるで何かを隠しているかのようなそんな感じ。
違和感を抱きつつも、さっきもらった棒付きの飴の包み紙を剥がした。

「それね一番美味しいんだよ」

「何味?」

「んー、わかんない」

味も分からないまま今まで食ってたのか。
半ば呆れたような視線を寄越すと、またケラケラと笑った。
爽やかな水色でビー玉のような飴を舌にのせて転がした。

「……」

「おいし?」

「甘い」

「あははっ」