私、白咲 六花。中学3年生。
今日は、将来が決まる大事な日。
「六花ちゃん、忘れ物ない?」
「うん、大丈夫だよっ」
お母さんが心配そうに見つめ、聞いてくる。
「ははっ、相変わらず心配性だなぁ。六花も、もうすぐ高校生なんだから大丈夫だろう」
「そうだけど……心配だもの〜」
呑気なお父さんの言葉に、お母さんが頬を膨らませながら言い返す。
今日も、二人はいつも通り新婚夫婦みたいな仲の良さ。
こ、子どもの前ではなるべく控えてほしいけど……二人の仲の良い姿を見るのは嫌いじゃないから言葉には出さない。
「六花も、もう高校生かぁ。早いものだな……。少し前まであんな小さかったのに……」
そう呟いたお父さんは、感慨深い、慈愛に満ちた眼差しを向けた。
「中1の頃は、俺の膝の上にすっぽり収まるくらいだったのになぁ」
目尻に柔らかなシワを刻み、お父さんは懐かしそうに目を細めた。
「えぇっ!?そんなことないよ〜もっと大きかったよ!」
思わず、言い返した。
お父さんったら……我が子を可愛がるのはいいことだし、私も嬉しいけど……それは大袈裟だよ。
「そうだったか?まぁ、お父さんからしたら今も昔も六花は可愛いままだけどな」
「えぇ、そうね!うちの娘は世界一可愛いもの!」
二人は顔を見合わせ、息の合った親バカっぷり全開で私の幼少期の可愛いエピソードを次から次へと引っ張り出し始めた。
完全に二人の世界に入って、会話に咲かせ始めた両親。
朝から、照れくさい会話に赤面するのを必死に堪える。
「もう、お父さん、お母さん!恥ずかしいからやめてよ〜」
「はは、ごめんごめん。六花があまりにも可愛いから」
「そうよ!六花ちゃんが可愛いのが悪いんだからねっ」
り、理不尽……!
それに、二人とも可愛いって連呼しているけど……私はそんなにひ弱でもないし可愛いところなんてないのに。
多分、親だからこその発言なんだろうな。
特に、私の両親はご近所さんからもよく「親バカ」って言われているぐらいだし……きっと一種の盲目現象なんだと思う。
「……って、もうそろそろ時間じゃない?」
「え、あっ……本当だ!早く行かなきゃ」
時計を見ると、午前7時30分。
試験は9時からだけど、移動までに時間が掛かっちゃうからもう出ないと!
「じゃあ、行ってくるねっ」
「六花ちゃんなら、きっと大丈夫よっ。いってらっしゃい!」
お母さんの激励の言葉に頷きながら、扉を開けて試験会場である高校へ。
慌ただしい朝を乗り越えて、目的地に到着。
それから30分程は、試験勉強を少しして本番へ!
途中で手が止まりそうになるが両親から教わったことを思い出して、なんとか試験を白紙にせず終えることが出来たのだった。
それから、1週間後。
合格発表の日。
「あ……あった!」
掲示板で自身の受験番号を見つけた。
「お父さん、お母さん!合格っ……合格できたよ!」
嬉しさが溢れ出し、両親の元へ駆け寄る。
二人も涙を流し、私の頭を撫でながらたくさん褒めてくれた。
「よく、頑張ったな。流石、私たちの自慢の娘だっ」
「今日は、お祝いパーティーしましょう!六花ちゃんの好きな喫茶店でも行かない?」
「えっ、いいの!?やった!」
喜びのあまり、二人に抱きつき何度もお礼を言う。
久しぶりの外食に連れて行ってくれることもそうだけど……何よりも、ここまで受験勉強を手伝ってくれたことに感謝してもしきれない。
両親はというと、私に抱きつかれて頬が緩んでいる。
「六花に抱きつかれるなんて……幸せ者だ」
ここでも、二人の親バカっぷりは健全だった。
「お父さんったら……ほら、早くお店行かないと混んじゃうよっ!」
「えぇ、そうね。貴方、行きましょう」
車に乗り、お店に着くまでの間も私たちは途切れることなく会話を続けていた。
思い出話から、受験の時のお礼やお父さんたちの受験エピソードまで。
ご飯を食べている時も、二人の仲良しさを感じながら話は盛りあがる一方だった。
帰り道、私は幸せの余韻に浸っていた。
これから来る高校生活を想像して胸を高鳴らせる。
可愛い制服を着て、お友達を作って、放課後は勉強会なんかして……。
それに、もしかしたら、好きな人が出来たりして……。
想像するだけで、ワクワクが止まらない!
はぁ……楽しみだなぁ。早く、高校生にならないかなぁ。
頭の中が、これからの明るい未来でいっぱいになる。
しかし、私の想像する高校生活が来ることがないのだとこの時は知る由もなかった。
今日は、将来が決まる大事な日。
「六花ちゃん、忘れ物ない?」
「うん、大丈夫だよっ」
お母さんが心配そうに見つめ、聞いてくる。
「ははっ、相変わらず心配性だなぁ。六花も、もうすぐ高校生なんだから大丈夫だろう」
「そうだけど……心配だもの〜」
呑気なお父さんの言葉に、お母さんが頬を膨らませながら言い返す。
今日も、二人はいつも通り新婚夫婦みたいな仲の良さ。
こ、子どもの前ではなるべく控えてほしいけど……二人の仲の良い姿を見るのは嫌いじゃないから言葉には出さない。
「六花も、もう高校生かぁ。早いものだな……。少し前まであんな小さかったのに……」
そう呟いたお父さんは、感慨深い、慈愛に満ちた眼差しを向けた。
「中1の頃は、俺の膝の上にすっぽり収まるくらいだったのになぁ」
目尻に柔らかなシワを刻み、お父さんは懐かしそうに目を細めた。
「えぇっ!?そんなことないよ〜もっと大きかったよ!」
思わず、言い返した。
お父さんったら……我が子を可愛がるのはいいことだし、私も嬉しいけど……それは大袈裟だよ。
「そうだったか?まぁ、お父さんからしたら今も昔も六花は可愛いままだけどな」
「えぇ、そうね!うちの娘は世界一可愛いもの!」
二人は顔を見合わせ、息の合った親バカっぷり全開で私の幼少期の可愛いエピソードを次から次へと引っ張り出し始めた。
完全に二人の世界に入って、会話に咲かせ始めた両親。
朝から、照れくさい会話に赤面するのを必死に堪える。
「もう、お父さん、お母さん!恥ずかしいからやめてよ〜」
「はは、ごめんごめん。六花があまりにも可愛いから」
「そうよ!六花ちゃんが可愛いのが悪いんだからねっ」
り、理不尽……!
それに、二人とも可愛いって連呼しているけど……私はそんなにひ弱でもないし可愛いところなんてないのに。
多分、親だからこその発言なんだろうな。
特に、私の両親はご近所さんからもよく「親バカ」って言われているぐらいだし……きっと一種の盲目現象なんだと思う。
「……って、もうそろそろ時間じゃない?」
「え、あっ……本当だ!早く行かなきゃ」
時計を見ると、午前7時30分。
試験は9時からだけど、移動までに時間が掛かっちゃうからもう出ないと!
「じゃあ、行ってくるねっ」
「六花ちゃんなら、きっと大丈夫よっ。いってらっしゃい!」
お母さんの激励の言葉に頷きながら、扉を開けて試験会場である高校へ。
慌ただしい朝を乗り越えて、目的地に到着。
それから30分程は、試験勉強を少しして本番へ!
途中で手が止まりそうになるが両親から教わったことを思い出して、なんとか試験を白紙にせず終えることが出来たのだった。
それから、1週間後。
合格発表の日。
「あ……あった!」
掲示板で自身の受験番号を見つけた。
「お父さん、お母さん!合格っ……合格できたよ!」
嬉しさが溢れ出し、両親の元へ駆け寄る。
二人も涙を流し、私の頭を撫でながらたくさん褒めてくれた。
「よく、頑張ったな。流石、私たちの自慢の娘だっ」
「今日は、お祝いパーティーしましょう!六花ちゃんの好きな喫茶店でも行かない?」
「えっ、いいの!?やった!」
喜びのあまり、二人に抱きつき何度もお礼を言う。
久しぶりの外食に連れて行ってくれることもそうだけど……何よりも、ここまで受験勉強を手伝ってくれたことに感謝してもしきれない。
両親はというと、私に抱きつかれて頬が緩んでいる。
「六花に抱きつかれるなんて……幸せ者だ」
ここでも、二人の親バカっぷりは健全だった。
「お父さんったら……ほら、早くお店行かないと混んじゃうよっ!」
「えぇ、そうね。貴方、行きましょう」
車に乗り、お店に着くまでの間も私たちは途切れることなく会話を続けていた。
思い出話から、受験の時のお礼やお父さんたちの受験エピソードまで。
ご飯を食べている時も、二人の仲良しさを感じながら話は盛りあがる一方だった。
帰り道、私は幸せの余韻に浸っていた。
これから来る高校生活を想像して胸を高鳴らせる。
可愛い制服を着て、お友達を作って、放課後は勉強会なんかして……。
それに、もしかしたら、好きな人が出来たりして……。
想像するだけで、ワクワクが止まらない!
はぁ……楽しみだなぁ。早く、高校生にならないかなぁ。
頭の中が、これからの明るい未来でいっぱいになる。
しかし、私の想像する高校生活が来ることがないのだとこの時は知る由もなかった。
