君に届けるラスト・スパイク!

青春・友情

紫陽花/著
君に届けるラスト・スパイク!
作品番号
1788640
最終更新
2026/08/04
総文字数
4,656
ページ数
1ページ
ステータス
完結
PV数
0
いいね数
2
【君に捧げるラスト・トス!】
続編です。

✮  ․  ⁺  ✧  ⸝⸝  *  ⊹  ₊  ˙
東中学校女子バレーボール部、
部長にしてオポジット(ライト)の遠坂梨奈。
彼女の身体能力は県内屈指と言われていたが、
それは圧倒的な「ジャンプ力」と
「滞空時間」だけを武器にした、
いわば我流の力任せなプレーだった。
チームは部員の減少とモチベーションの低下に悩み、
梨奈自身も「自分が誰よりも高く跳んで
打ち抜けば勝てる」と孤立気味に焦っていた。

そんなある日、梨奈の前にかつて小学校時代から
その名を轟かせていた
絶対的セッターが転校生として、現れる。
「お前のその無茶なジャンプ、
私のトスならもっと空中で止まって見える」
──そう言って彼が放ったファースト・トスは、
梨奈のこれまでの常識を完全に
破壊するほど正確で、かつ甘美な絶妙のタイミングだった。

しかし、初めから息が合うわけがない。
梨奈の爆発的なスピードと、
セッターの緻密すぎるコントロールは
タイミングがコンマ
数秒ズレるだけで全く噛み合わず、
練習試合では惨敗。
部員たちからも「ついていけない」と
距離を置かれてしまう。
焦りと悔しさから涙を流す梨奈だったが、
セッターの「もっと自分を信じろ、
お前はただの跳び箱じゃねぇ、最強のエースだ」
という言葉に背中を押され、自分のフォームを見つめ直す。

迎えた最後の区大会。
圧倒的な体格を誇る強豪校を相手に、
東中はセットカウントを奪われ、絶体絶命のピンチに追い込まれる。
コートの隅で息を荒らげる梨奈の脳裏に、
これまでの仲間との衝突や、
セッターと交わしたパスの感触がよみがえる。
もう力任せに跳ぶ必要はない。
彼が創り出す最高の空間(エアポケット)を信じ、
梨奈は誰よりも高く、誰よりも美しく空中へと舞い上がった。

すべてを懸けた最後の一打。
ネットの向こうのブロックを完全に置き去りにし、
床を抉るような豪快なスパイクが
相手コートの真ん中に突き刺さる。
試合には敗れたかもしれない、
しかしそこにはバラバラだった東中バレー部が一つになり、
最高の笑顔でハイタッチを交わす姿があった。
これは、不器用な少女が仲間と出会い、
空を飛ぶ本当の意味を知る、熱くて切ない青春の物語の幕開けである。
✮  ․  ⁺  ✧  ⸝⸝  *  ⊹  ₊  ˙

この作品のレビュー

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品の感想ノート

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品のひとこと感想

すべての感想数:3

この作品をシェア

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

pagetop