虐げられた呼人の姫は幸せの王子の至上の愛に溺れる

『ねえ、どしたの?おねーちゃんっ』

『ん?なに、(しずく)

お姉ちゃんが笑みを浮かべて私を見た。けれどその目は、ちょっと険しくて。こわばっている顔だった。

『なんではしにいるの?あそぶの?』

私の言葉を聞いて、お姉ちゃんはすっと視線を逸らした。

『遊ぶ?そうじゃないよ』

どこか遠い目をして言った。

なにかおかしい。

ううん、絶対おかしい。


私には、お姉ちゃんがいた。

小鳥遊風里(ふうり)

いつもお姉ちゃんは……お母さん、お父さん、一花(いちか)様に虐められても、決して泣かなかったんだっけ。

可能な限り、笑顔を絶やさずに。

私を一生懸命に育てようとしてくれた。

深い深い、闇の底でも、諦めずに——。